悪になる為に

ぼちぼち、プリンセス小夜曲のフルコンプ報告が出てきてますな。


遥香「相変わらず、個別ルートに入るまで無駄に長いですしね」


ちなみに日数は個別に入るまでに33日分だ。


遥香「そういえば、これって元々〝悪〟育成を謳ってるわけですが…」


まあな。
アルにとっての理想とする悪はなんなのか。
後半になればなるほど、どっちが悪でどっちが正義なのかの区別がつかなくなる。


遥香「兄さんの書くシナリオでよくある話ですよね」


だな。
悪がいて、それに立ち向かう正義のヒーローがいる。
そんな子供向けヒーロー番組的な展開じゃないからな、俺のシナリオの場合。
悪と正義ってのは、案外曖昧なものでな。
相手側からみたら、邪魔なヤツは悪いやつ=悪になるわけだ。


遥香「プリセレでいうところの、レオニスにとって自分の王位を脅かすアルは悪ってやつですね」


逆に村人からみたら、そんなレオニスに対するアルは英雄になると…。
では、本当の悪とはなんなのか。
正義とはなんなのか。


俺の概念では、悪ってのは存在しない。
自分にとって真っ直ぐに信じた道は、その相手には〝正義〟となる。
自分の〝正義〟に反するものは、〝悪〟となる。
つまり、〝正義〟と〝正義〟。
己の信念のぶつけ合い、それが争いである。
そして、負けた方が〝悪〟となる。
故に、アルは〝悪〟を語っているにも関わらず、英雄扱いされてしまうのです。


遥香「とくに相手側が嫌われていればいるほど、周りからは英雄と讃えられるんですね」


プリンセス小夜曲は、そんなアルの複雑な葛藤も描かれているのだ。
特に終盤は、真の悪とはなんなのか、そんなことを悩みながら戦いの渦中へ…。
言うなれば悪育成というよりも、アル育成ゲームでもある。
まあ、育成というより、育っていく過程を見守るって感じだけどね。
気弱で温室育ちの王子様が、悩んで悩んで育っていく様を見守るゲーム。
それがプリンセス小夜曲の本質なのかもしれません。


遥香「一部、過激な暴力表現が含まれております」


むしろエロなしでそっちだけで18禁に出来るくらいのな…。